Strasky Husty and Partners:ストラスキー・ハスティー社はチェコの構造コンサルタント会社で、ベテラン技師のJiri Strasky氏らが創設したものです。
海外の橋梁作品集などでは良く登場する常連です。
同社のサイトにある「study(研究)」のページに以下のような橋の案がありました。
Curved Stressribbon Bridge:カーブしたストレスリボン橋というものです。
半円形(U字型)の路面が、何の支えもなく空中に浮いています。
コレは一体どういうことになっているのでしょうか。。?
そのしくみがスケッチで説明されています。
それによると。。
(クリックで拡大。画像は同社サイトより。右下の解説図のみ管理人作図 )
a図) 路面をわずかに傾斜させる(f)
b図) 手すりのトップにケーブルを巻き、引っ張る。ケーブルの張力により半円の中心方向、斜め上方向に力=Nがかかる
Gは路面重心位置に下向き鉛直力が作用しているところ。
ここで、右上の断面図より、Nは斜め上向きなので(床面=ケーブルが斜めに傾いているため)、これは鉛直方向(Nv)と水平方向(NH)に分解される。その結果、
c図) Nvは橋を上方向に吊り上げようとする
d図) 手すりと床がL型を構成しているので、NHの内向き力は手すりをレバーのようにして床面が垂れ下がるのを引き戻す。(解説図)。
Nの延長線が重心Gを通るため、引き戻し力は床がちょうど水平になる分だけ働く
。。。となっています。。。
なお、ケーブルの張力は、床面が半円形になっているので、リング効果で(手すりを経由して)その床面を伝わって支持点:地面まで伝えられます。(床がケーブルの反力体となり、NHに抵抗する。解説図のNH=RH)
一応、スジは通っているようですが、ダイジョウブでしょうか。。?
力は流れるけど、変形(床全体の下がり)がかなり大きくなるような気がします
ちょっと不思議なカンジがしますが。。ぜひとも実現作でその懸念を払拭してもらいたいものです。
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※ストレスリボン橋:吊りケーブルをリボンのように2点間に垂らし、その上に歩道面を載せて歩道橋としたもの。
ユルグコンツェット設計のコチラの橋が有名。
単にケーブルを垂らしただけでは集中荷重=偏分布荷重(ある一点に人が集中して載った場合)などに対してケーブルが大きく変形するため、それに対処するしくみ(補剛構造)が必要。コンツェットの橋の場合、床面に石版を敷き詰めることで対処している。
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