構造エンジニア界のスーパースター、ピーターライスが死去して20年。
これに際してArupが作成した「Trace of Peter Rice」と題したドキュメント動画がyoutubeに公開されています
ピーターライスはイギリスの構造コンサルタント会社、 オブアラップ・アンド・パートナーズ(現Arup)のエースとして 数々の有名建築家と協働しましたが、1992年、57歳の若さで惜しくもこの世を去りました。
パリのポンピドーセンター、ロンドンのロイズ・オブ・ロンドンなどを担当。
日本でも関西空港の屋根を担当しました。
当サイトのコチラのページもご参考に。
その動画がコチラ。
レンゾピアノ、リチャードロジャースらがその思い出を語っています。
冒頭はライス氏がRIBA(英王立建築家協会)のゴールドメダルを受賞したときの記念公演。
氏の著書"An Engineer Imagines"(邦題:あるエンジニアの夢見たこと)内の記述にある、
「(普通の)エンジニアはシェークスピアの戯曲オテロに出てくるイアーゴのようなものかもしれない。」と語っています。
曰く「ロマンティックな考えのオテロの考えを打ち砕くためにイアーゴは合理的、論理的な議論を仕掛けて行く」
「しかしそれだとロマンティックで芸術的な、創造性を破壊してしまう。それがエンジニアだろうか。。再考してみよう」と。
リチャードロジャースが思い出を語ります
「(ピーターが言うに)もし、あるプロジェクトで"詩的な"解決法を思いついたなら、それが真実なのだ。」
これの具体例としては"フルムーンシアター"が該当するでしょう。
舞台を月の明かりだけで照らす、というロマンティックな劇場です
出来る、出来ないでアイデアを判断するのではなく、美しい解決案に向かって突き進む、という事でしょうか。
videoの中のインタビューには"poetic"(詩的)の言葉が何度も出てきます。
別の同僚が語ります
「だからピーターの本のタイトルはAn Engineer "Imagine(想像する)"なのだ。エンジニアは「計算する」でも「議論する」でもなくてね。」
今回の機会に合わせて本が出版されています。
Peter Riceが亡くなってもう20年も経つのですね。
月なみな表現ですが、月日が経つのは早いものです。
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