超軽量構造コンテスト

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日本の建築の構造設計者の団体である日本建築構造技術者協会が、超軽量構造コンテストの応募者を募集しています。


"Light as a Feather"  「鳥の羽のように軽い」構造体を作れる挑戦者を探しています

同協会は英訳の頭文字より通称JSCA(ジャスカ)と呼ばれています。
その同協会の25週年記念事業の1つです。

コンテストの条件:要項は「スパン1m,1kgの重さを支持する超軽量の構造体を作る」と言うもの。メッチャ、シンプルです。
つまり。。上記を支持できる、最軽量の構造を作った者が優勝、ということです。

7月末までにまずエントリー。8/25に構想を示したプレゼン書類(A3 1枚)提出。それにより予選が行われます。
予選を通過すればさあ実作作成。いざ11/28の本戦、計量審査へ、という流れです。

実作を作るのは予選を突破した時でOK。予選のプレゼンの段階では構想のみ示せばよく、実作は不要です。

なお、このメインの競技である「最軽量賞」とは別に、「デザイン賞」も用意されています。
応募資格はナシ。誰でもOKです。

■条件整理、製作例

この条件。。「スパン1m,1kgの重さを支持する」とは下図のような1スパン梁ということです。そのときの梁の曲げモーメント図は下図の三角形のようになりますから、これと同じ形状=相似な構造物で、最軽量の物を作ればよい、となります。
これを実現するものとしては。。。例えば下図のようなものです。吊材を三角形状に張り、それを発泡スチロールなどの材に固定(接着)します。そしてワイヤー下端に重りをぶら下げます。

高さHが大きいほどワイヤーに掛かる力は減りますが、そうするとワイヤーの長さが増え、重量がかさんでしまいます。よっていい塩梅を探す、となります。
上側の圧縮材もなるべく重さを減らす必要があります。トラスなどにする案もありますが、手間がかさむほど部材も増えますからこれまた重さが増えてしまいます。

通常、引張材よりも圧縮材の方が重量を食いますからそれをどうするかがポイントです。



■パスタブリッジ

実はこのような競技は世界中で行われています。特に大学の授業、構造力学に興味を持ってもらうためなどの目的で行われます。

下記はその例の1つ。パスタブリッジ、スパゲティブリッジと呼ばれています。乾いたパスタ(乾麺)を接着して最強の橋を作るというものです。
下写真はとある大会での優勝案です

(画像クリック、ページ中程のビデオ)


先に示した私の例と全く違いますが(^^;)、これは「ラジアル(半径方向)配置」と呼ばれるケーブル配置。中央集中荷重を支えるのに非常に優れた構造です。自転車の車輪を真っ二つにしたものと考えることが出来ます。
中央、ハブのところに重りを掛けます。 

扇型を描く引張材に同じだけの力がかかり、それが半円状のリングに圧縮力となり伝わります。
ビデオ終盤で分かりますが、壊れるのは圧縮材であるリングが座屈したときです。
美しい扇形が一瞬にして壊れてしまう様(さま)にはどことなく儚なさが感じられます。

ただ今回のコンテストは「最軽量」ですからこのような手間の掛かる、部材数の多いものは不利でしょう。



このパスタブリッジ。。パスタは通常、1本の長さが決まっていますから、それを使ってどのように構造体を組むかがミソ。。知恵の出し所です。
通常、「ママーパスタひと袋を使って最強の橋を作れ」などと課題が出されます。
コチラは日本、東大の機械工学科での例。





■構造物の性能(価値)

ヨルグシュライヒ氏の本にかつてこのようなことが書かれていました。

構造物の価値VS=WL/SW
VS: Value of Structure 構造物の価値
WL:Working Load 支持できる荷重  SW:Self Weight  構造物の自重

構造物はどれだけ重いものを、どれだけ軽い物で支持できるかですから、まさに上式の通りです。自重は軽いに越したことはないのです。
構造体が1トンで、支持できる重量も1トンだったら。。上記のVSは1.0となります。
これは自重だけをやっとこさ、支持できる。。つまり自分の重さしか支えられない。。自分のことでいっぱいいっぱいだってワケです。一般社会ではこのような構造物は役立たず、となってしまいます。

今回のコンテストはこのVSをどれだけ大きくできるか、と見ることができます。

ちなみに手元にある本ですと、スパン3kmの吊り橋の場合、メインケーブル許容応力度を700~800MN/m2とすると、その約半分が、そのメインケーブル自身の自重に使われ、残り50%のみで橋桁と積載荷重を支えるとのことです。VS=2だということです。


■ペイロード

アメリカでは積載荷重のことをよく「ペイロード」と呼びます。これはペイpay=お金を払ってもらえる ロード=荷重、ということです。
飛行機や船は重量物や人を運ぶことを商売としています。運べる重量が大きければ大きい程、カネになる、ということです。

「で。。このヒコーキ/フネ。。どんだけカネ取れんねん?」ってワケです。
大阪商人もビックリ。ちょっとアコギな。。ダイレクトな表現ですね。



■人間の価値

さて構造物の価値が分かったところで、話を極端にビッグにして。。人間の価値ってのをお話します。
ちなみに以下はワタシのオリジナルの考えです。ネットで読んだものだったかもしれません。
さて、この「人間の価値」を前述のVSにならって仮にVH :Value of Human(人の価値)としましょう。



人はオンギャーと生まれてから徐々に年を重ね、大人へとなっていきます。
学校を出て成人し、経済的、精神的に自立するのはまあ20代ですね。
自立すれば人の助け。。親の助けを必要としませんが、それまでは人のお世話になって生きていきます。

自立したとき。。自分のことは何とか自分でできる、と言う状態をVH=1.0とします。さっきのVS=1.0の構造体と同じ。自分のことで精一杯。まだまだ人のことまで気が回りません。
では生まれたての赤ん坊は。。?ママに頼らないと生きていけませんからVH=ゼロです。

ではVH>1.0とは。。? これはつまり人様の役に立っている。。ということです。
少し整理すると以下となります。VHとはお役に立てた人の数とも言えます。

 VH<1  人の助けがないと行きていけない(自分の世話さえできない)
 VH=1 何とか自分のことだけはできる
 VH>1 人の役に立つ、喜ばせられる (自分はおろか、人も助けられる)

一般人レベルではVH=2~3? 10くらいでしょうか。
しかし、例えば電球を発明したエジソン。。電話を発明したベル。。
彼らは無数の人を喜ばせました。VH=∞(無限大)といえます。

もっと身近に考えれば。。
例えばワタシが個人的にスキな明石家さんまさま♥
彼は日本中に笑いを届け、人々を喜ばせています。
コチラもVH=∞と言えるでしょう。

お笑い怪獣

まあ、わざわざさんま様にご登場いただかなくても、その他のお笑い芸人や、歌手。。アムロちゃんやきゃりぱみゅなんかも無数の人を喜ばせています。VH=∞です。

VHを芸能人なみに大きくするのはむずかしいでしょうが、我々はこのVHをいかに大きくするか、ということを考える必要があります。


■お金持ちになりたいですか?

VHを大きくすると素晴らしいオマケがついてきます。
なんと、お金が寄ってきます!!
かの徳川家康は、こう喝破しました

「最も多くの人を喜ばせた者が最も栄える」

つまり上記で定義したVHを大きくすればするほど、お金が貯まる、と言うわけです。
もし、アナタが今、「あ~お金がないな~」と言っているならば、VHが小さいのです!
喜ばせている人が少なければ。。お金が無くてトウゼンなのです。

スマホもパソコンもない時代に。。お金持ちになる方法は。。
もう解明されているのです。





話がだいぶモコミチ。。いや横道にそれてしまいました。

何のハナシだったっけ。。?  アスカ。。? 

ちゃう!ジャスカ!ジャスカ!



コホン(咳払い)。。さてと。。

とりあえずエントリーだけでもしてみましょうか。。夏休みだし。

土木の方も。。殴り込み参戦。。期待しています。

 






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