ロンドン・パリ・ニューヨーク。 世界の三大都市。
今日はそんなニューヨークの億ションを紹介します。
あ、なお、タイトルはイミフですが読んでくと分かる仕組みです
以下の写真は主にwikipediaより。
まずはコチラ。
コチラはアメリカの有名建築家、フランク・オー・ゲーリーによる8 spruce street (エイト・スプルース・ストリート)というもの。
この名は住所を表し、「山手通り8丁目」的な意味。
本マンションは"New York by Gehry"の名で売り出されています。
高さ265m、76階建て。
構造設計担当はWSP Cantor Seinukと言う名の大手建設会社(コチラ)。
表層がゲーリーお得意の、紙袋をクシャッとしたような不定形模様となっています。
トレード・マークを残すことで「オレがやった」と言ってるかのようです。
このマンションはNYの代名詞であるマンハッタン島(写真黄色部)の南端=ダウンタウンに建っており(★印部)、911のワールドトレードセンターのそば。
そのため本ビルは(マンハッタンの南にあるので)主に北面に視線が注がれるものとなっており、北立面は上写真のようですが、それと裏腹に南側は手抜き、あ、いや(^^;)、そっけない。。色気ない、タダのまっ平らな壁となっています。
次はコチラ。フランスの建築家、Christian de Portzamparc クリスチャン・デ・ポルザンパルクによるOne 57
高さ306m、75階建て。
コチラも構造はWSP Cantor Seinuk社
下層はハイアットホテルで、上層が居住区=マンション。
ペントハウス=最上階部はカタール首相を含む超セレブたちが購入しており、1戸約1億ドル≒110おくえん!!(><)
ひゃ、ひゃくおくっっ!!
もはや億ションどころじゃありまへん
ポルザンパルクは画家のような、非常にビジュアルセンスのある建築家。
かつてその作風はフラグメンタル(=断片的)とも言われました。
本ビルでもそのファサードがICチップを散らしたかのような断片的表情。
こちらも自身のトレード・マークを入れ込むことで「コレやったのオ・レ。」とサインしているかのようです
さて、最後、極めつけはコチラ。
東京フォーラムの設計で知られる建築家、ラファエル・ヴィニオリによる432 Park Avenue
写真で異様に飛び抜けているのがそれ。
コチラ、高さ396≒400mで、89階。
住戸は125戸とのことなのでフロア数から考えるとほぼ1.5戸/フロア。
下半分は2戸、上半分は1戸/フロアということでしょうか。
←コチラが全身像。
なんすか、コレ!?(・□・)
アスペクト比=タテヨコ比=15!
ひゃ~!
日本じゃありえないプロポーション!
日本が誇るスレンダー美女、菜々緒もビックリ!
あ、個人の趣味でムダ情報入りました
(・_・)
主架構はRC。
NYでは地震はないものの、コレだけのプロポーションだと風がタイヘン!
よって数階置きに入る機械室階を壁なし=吹きさらしにして、風圧力を軽減しています(下写真で光っているところ)。
さらには揺れ対策としてTMD:チューンドマスダンパーを入れて居住性改善を図っています。
3つ目のコレも構造設計はWSP~社。
NYで最も高さが高いマンションとなっています。そりゃ~こんだけあれば。
そしてお値段も。。NYいちでしょう。。。(・□・)
こちらのサイトに内装などの写真が。
なおヴィニオリはこのタワーのイメージソースとして金属製のゴミ箱をモチーフにした、とのウワサ。
ところでご存知かと思いますが、「マンション」というのは英語ではなく和製英語です。
日本では集合住宅の意味ですが、もともとマンションとは英語で豪邸の意味。
かつてある不動産業者が売りに出す住宅にと付けた名前が語源と言われています。
では英語で、その我々が言う「マンション」は何と言うのでしょう。。?
チッチッチッチ・・・・ (シンキング・タイム)
正解は condominium コンドミニアムと言います。
ちょっと長いですから通常、略して condo コンドーと言います。
さて、ここから少ししょっぱい、何だかなぁ~的な話をします。
今まで建築的観点からお話してきましたが、ペントハウスを見あげるかのように、目線を思いっ切り上に上げます。
これらの設計をしたのはここに挙げてきた建築家ですが、ではこれらを建てようとまず考えたのは誰でしょうか。。
チッチッチッチ・・・・ (シンキング・タイム2回め)
そう、デベロッパー。
少しゲスの極み的な言い方をすると「不動産屋」です。
ニューヨークといえば冒頭で言ったように腐っても鯛、世界最高の都市とも言えます。
地価も世界最高。
そんなところに、世界中の超セレブたちが自分の財力を見せつけるかのような邸宅を持ちたいと思うのは自然な流れです。
そうすると不動産屋たちは、どっかNY内に土地を買って、そこにとにかく高いマンションを立て、そこを売れるか売れないかギリギリの、メッチャ高い値を付けた部屋を売り出せばいい、となります。
人が欲しがるものを与えるのが商売の鉄則。
欲しいものを、自分も欲しい、というのではなく、人に与えるのです。
そうすれば自分には代わりにお金が入ります。
そうすると世界の大富豪たちが「ガッハッハ、これこそオレにふさわしい」とか言いつつ買う訳です。
そうなると不動産屋にとって大事なのは、いかに高さが高く、ラグジュアリーなマンションを立てるか、となります。
いかに高い値を付けた部屋を金持ちたちにあてがえるか、売りつけられるか。
それらの後ろ盾として、「世界いち地価の高いNYで、世界いち高いところにアナタのお部屋を」というは強烈な口説き文句。
建物高さはそういうことにして、外装は世界の名だたる建築家を呼んできてデザインしてもらったら(させたら)いい、となります。
そんな高いビルが建てられるか、風で揺れたりしないか?
そんなことはオレは知らん。どっかのコンサル会社雇ってやらせりゃいいんです。世界一高いマンションの名に惹かれてやってくる所があるでしょう。保険でも掛けて用心しとけ、と言ってやればいいでしょう。
結論として、この観点(目の高さ)から見ると、建築的デザインはどうでもいい、となり、せいぜい有名建築家がやったかどうか、ということになります。
建築家は「記号」なのです。
記号とは例えば、ただのポロシャツにブランドのロゴが胸元にあるだけで10倍の値で売れます。これが記号。
これは「オレは休日着るものもファストファッションじゃなく、ちゃんとしたブランドものしか着ないオシャレさんだぜ」という意味を発する「記号」です。
「マックのパソコン」は「機能一辺倒でダサイwindowsじゃなくて、やっぱクリエイターはオサレなMacだよ」という意味の「記号」。ですのでそれをスタバで広げた時にリンゴマークが人に見えないと意味ないじゃん!となってしまいます。
話が戻って、これより「有名建築家がやりました」という事実が重要なのです。
建築家サイドもこのことは百も承知。自分は単に箔付けで呼ばれたのです。
けど建築家としてはそれだけじゃ気に食わん。せめて爪痕残したる、と、自分がやったことを示す「サイン」を表層に残します。
あるいは「お金持ちの皆様にはゴミ箱がお似合いですよ」という強烈なウイットをかますかもしれません。
ちなみにお金持ちたちがこれらを買うのも「記号」です。
「買った」「買うだけのお金がある、と示せること」が重要なのです。
よって床が大理石なのかどうなのかなんて意味がなく、誰かに「アレ、オレ買ったんだ」と発する時(言えること)に意味を持ちます。
超高級キャバクラで「アソコに部屋持ってるよ」と言って
「きゃ~シャッチョサン、スゴイ・アルネ~」
と美人ホステスたちから大絶賛された時に、価値を発現します。
ミエってのは金食い虫ですね。子供のおもちゃ自慢とほとんど変わりません。
ちょっと記号論の話が多かったですが、まとめると。。。
あまり自分の目の高さばかりで話していても、400mの「ペントハウス」の高さから見れば、単に誰かの手のひらで踊らされているだけかもしれません。
高い視点から見ねば、ということです。
ん~ちょっと口の中が塩っ辛くなっちゃった。ペッペッペッ (・皿・)
お~いちょっと誰かジュースでも持ってきてくれるか~(°□°)/
んぐっ・んぐっ・んごっ は~スッキリ。
それでは少しお口直しを。
こちらはNY内で建設中の建物とその拡大。
これより分かるように柱に直接床が載っており、梁はありません。
フラットスラブの一種でフラットプレート構造と言います。
柱が必ず梁と接合されてラーメンを組んでるのは日本くらいで、地震のない海外では、水平力=風圧力は階段室やEVの耐震壁コアで負担し、柱は単に床重量を支えるだけとなっています。
所変われば品変わる。日本の常識、世界の非常識、ってことですね。
(下段は担当建築家。ゲーリー / ポルザンパルク / ヴィニオリ)
ニューヨークの億ション、日本で言うところのタワマン。
超高級 condominium コンドミニアムを3つ、紹介しました。
condoを3つ。
コンドー、さん v(^^)v
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