ぶったまげた(゜□゜) (3)

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notredame0.jpg

不定期でお送りしている「ぶったまげた」。今日は3回め。

今回は本サイトには珍しく、歴史的建築物です。
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冒頭の写真、これは何でしょうか。。。

ノートルダム大聖堂。

ピンポーン! 正解! お見事。

パリ、セーヌ川ほとりにあるゴシック建築です。

建築の学校に通った方ならば、必ずや授業で習ったことでしょう。

さてこのノートルダム大聖堂。
テストで最頻出の問題があります。

「このノートルダム大聖堂ですが。。。
  側廊の外側にとりつけられているナナメのものを何というか」

ピンポーン!
はい!2番の方、ランプが点いた!

「フライングバットレス!」

お見事、正解! 1000ポイント獲得っ!

なんかクイズ番組テイストでお送りしました。


notredame2.jpg

ほんとにテストで必ずや出る、って程のもの。

世のクイズ王たちは
「では問題!パリ、セーヌ川のほとりに立つ大聖堂。。」

と聞いただけでピンポンボタンを押して
上記答えを高らかにいい放つでしょう

(・・・大聖堂はノートルダム大聖堂ですが。。というひっかけ問題)

あ、今回はクイズのはなしではありません。
このフライングバットレスのお話です。

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フライングバットレスは何のためにあるのでしょうか。

ピンポーン!
はいっ、2番の方、またランプが点いたっ!

「屋根が開くのを防ぐため」

正解っ!またまた1000Pt獲得っ。 お強いっ!

いかん。さっきの設定を引きずっています(^^;)
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まあチンパンジー、いや一般人であれば上記で正解でしょう。

もう少し、このサイトを見るほどの人のために専門用語で言うならば
「屋根のスラストに耐えるため」となります。


buttress.jpg THRUST.JPG

上記右図のように三角形状に足をひろげていると、その自分の重さでどんどん足が広がってしまいます。
フライングバットレスはこの足が開くのを防ぐためにつっかえ棒となっているものです。

今回はこれを更に掘り下げます。

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以下のような解説図がありました。
buttress2.jpg

上記で"Arc-boutant(仏)"がフライングバットレス。
その下にあるContrefortは直訳すると「麓」とのことですがここでは便宜上、基礎柱、と訳しておきます。
contreは「抵抗する」の意味がありますから抵抗柱、が正しいかもしれません。

なおこのバットレスですがFlying Buttressですので
フライイングバットレス、とイが2回なのが正解なのかもしれません。
しかし本稿ではイは1回で統一します。

何事も正しいことだけがいいわけではない。
我々は学者ではないのです。
伝わることのほうが一般生活では優先です。

たまには間違っているのも承知で
「うんうん、キミの考えで間違ってないよ。大丈夫だよ」
と言ってあげるのも大人の器の広さです

かつて読んだ本には器が広いとは
「自分と異なる意見も受け入れる器量があること」
とありました。

「イが2回が正しいのでは」なんてTV局にクレーム入れる人にはその懐がなく器量が狭いのです。

いかん、すみません、なんか毒ってしまいました。

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さて、バットレスをカンタンな解説図にしてみます。
赤がバットレス。その下の青が基礎柱です。
BTR1.JPG
ここで力の流れを考えます。

屋根に自重が生じ、それによって三角屋根は開こうとしその力Nがバットレスに伝わります。
BTR11.JPG

その力はそのまま基礎柱に伝わります。
それによって基礎柱はいわゆる片持柱として働きます。

しかし上記図には若干ウソがあります。すみません。
さっき言った、若干ウソがあっても、ってヤツです。はい。

どこが違うかというと、本当は基礎柱にも自重がありますから、基礎柱にかかる力は下図のように点線のN'=N+Wcであり、バットレスからの力よりも若干下向きで良い、となります。

このおかげで基礎柱は倒れに対して若干、有利になりました。
しかしまだちょっと不足しています。
点線矢印のN'が基礎柱の外側を通っているからです(下左図)。

BTR12.JPG
but01.JPG
上右図に示すようにN'の点線が基礎柱の断面の外にあると基礎柱内側は引き抜きになってしまい(=反力が下向き矢印)、転倒してしまいます。その右のように点線が基礎柱の内側であれば基礎柱の内側支点も圧縮(反力が上向き矢印)なので転倒しません。
上左図ではN''の点線が基礎柱の外側ですから、このままでは柱は倒れてしまいます。
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バットレスが効いてくれるには基礎柱が倒れてはマズイ。
そうなると基礎柱の自重をどこまでも増やしていく必要があります。
ちょっとあまりスマートな方法ではありません。

なんかいいアイデアありますでしょうか
回答席2番の方!

「・・・・・・・・・・」

さすがのクイズ王も黙り込んでしまいました。
まあチンパンジー、いや一般人ですからね。

しし昔の人は賢かった。
えらい都合のいい方法を思いついたのです。

賢人が知恵をさずけます。
「基礎柱の上に重しを載せるがよい」

BTR33.JPG

おおそうか!すごい!
そうすればバットレスの力Nは更に下方向に曲げられ、N''が基礎柱の断面内に入れば転倒しません。

あ。。。けど。。問題が。。。
その重し。。。どんなのにするの?(・□・)
まさか砂袋をぶら下げておくわけにもいきません。。

回答者2番も黙り込んだままです。
まあチンパンジーですからね。

さっきの賢者に聞こう。

「知恵を授けよう。何かの装飾物に模すればよい」

おおお~!ありがたいお言葉。

「上に付けて、上昇感を演出すればよい。
           さような塔とすればよかろう。」


おお~!!!神アイデア!(゜□゜)
あなたの弟子でよかった。ありがたや~!
もう足を向けて眠れません。
賢者はおうちは。。。あ、僕んちからだと北のほうですね!
じゃ~今晩からワタシ、北枕で寝ます!


but4.JPG
Woは言ってみればバットレスの力が基礎柱アタマまで来たところでトンカチでガツン!と叩いて向きを下向きに変えているようなものとも言えます。

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実はさっきの解説図で説明するのをする~っとスルーしていましたたのですが。。
基礎柱の上に"Pinacle"というものがあります。日本語で尖塔です。

buttress2.jpg

pinacle1.jpg

バットレス上に高らかにそびえ立つ尖塔。

こんなの単なる装飾としか思えません。
そんな隠れた役目があったとわ。。。
NECKLACE.jpg
気づきませんでした。
ネックレスと思ったら磁気ネックレスで肩こり防止機能があった、みたいなものでしょうか。

いや~それにしても

ぶったまげたわ~!(゜□゜)

かくしてパリの大聖堂の側廊はバットレス、基礎柱、そして単なる飾りに扮した尖塔のお蔭で今だ壊れることなく立ち続けるのでした。

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(え。。なんだって。。?え?そうなの。。?ほんとに。。。? 
え?どっかのヤツからクレームのTELが入ったのか。。? 
そんな大事なこと早く言えよ。何で今頃になって言うんだよ。。
ウソ言ったことになるじゃんか。。クイズ番組なんだぞ。。
そんなんだからオマエ今だに下っ端ADなんだよ。。。
まったくもう。。。)


エ~コホン。非常に申し上げにくい訂正があります。

パリのノートルダム大聖堂には基礎柱上には尖塔はなく、先程の尖塔の写真は別の教会、イギリスのヨークミンスター教会とのことです。

間違いの情報であったことを深くお詫び申し上げます。。。m(_ _)m

尖塔を使って転倒を防ぐことはウソではありません。
フライングバットレスを用いた教会では上記のような尖塔によるテクニックを用いる場合がある。。。ってことで。。。
すまみせん。
カッコわるっ

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さて、当の賢人はどうやってこの方法を思いついたのでしょうか。
これまでのように示力図を書いて考えたのでしょうか・・・・・

推測するには、上記のように理屈で攻めたのではなく、やはり経験的に、とにかく重りを乗せればいい、それを尖塔にすれば都合いいじゃん、、となったのではないでしょうか。。。

賢者もフツーの人だったのかもしれません。
単なる建設労働者のひとりだったのかも。
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私ごとでしたがこの事実を知ったの、何かの雑誌だったのですが(忘れたった)、ぶったまげてのけぞってしまいました。

割と長いことこの業界にいますがこんな話、20年来、聞いたことありませんでした。

まさに教科書には乗っていない話。池上彰もビックリです。
さすがのクイズ王でさえ知らないでしょう。
まあチンパンジーですからね。

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今回記事はいかがだったでしょうか

過日読んだネット記事で、ネットで情報を取るなら個人サイトのほうがいい、とありました。

その理由は、個人サイト以外=企業などのものだと出稿までに何人ものチェックが入りますから、最終的に角の取れた、当たり障りのないものになってしまうから、とのことでした。
色々なしがらみ、例えばスポンサーに不利なことは書けないなどありますし。
要は自由に書けない、ということです。
また営利目的であればそれに沿ったような、意図した記事=バイアスのかかったものとなってしまい、読者にとって中立の立場か危うい可能性もあります。

逆に個人サイトはそのような「検閲」、もなく、忖度も不要。スキ勝手書けばいいですからエッジが立ちまくっており、ナマの情報にたどり着けるとのこと。

まあ、そう言われればそのとおりだと思いました。

私の友人に某SNSで会社のアピール記事を投稿する人がいるのですが記事が丸い丸い!
悪い表現だと「人畜無害」。読んでも何も感じるものがありません。

若干、我田引水な記事の引用となりましたが、本サイトは営利目的ではなく、検閲官もいませんのでエッジの切れまくった、そこいらには落ちていない情報の提供をしようと思っています。




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