他の追従を許さないアーキテクト・エンジニアー |
サンティアゴ・カラトラヴァ氏はスペイン、 ヴァレンシア生まれの建築家、彫刻家、構造デザイナーです。 ヴァレンシアの美術学校、建築学校を経てチューリッヒのスイス連邦工業大学(ETH)で土木工学を学び、 卒業後、ETHにて建築静力学、航空力学、軽量構造物研究所助手を勤めます。 その後チューリッヒに事務所を開設し1987年にスペインバルセロナの
バック・デ・ロダ橋でメジャーデビュー以来、
今日まで駅、空港などの様々な建築を手がけています。
カラトラバ氏の建築はマルチディシプリナリテ −建築、構造、彫刻の才能を一人で持つ− を最大に発揮させたものであることが特徴です。 構造合理性を基盤として、それを彫刻的(美的)レベルまで 昇華させた建築デザインとなっており、 この分野―アーキテクトエンジニアーあるいは構造デザイナー―としては 他の追従を許さない存在となっています。 氏のこれまで建築作品としては駅などの公共建築が多く、その大部分はコンペにより獲得したものです。 (茶色は右写真参照) ・スターデルホッフェン駅 (スイス・チューリッヒ) ・サトラス空港駅(サンテクジュペリ駅) (フランス・リヨン) ・モンジュイック通信塔 (スペイン・バルセロナ) ・ミルウォーキー美術館 (アメリカ・ミルウォーキー) ・ヴァレンシア科学博物館 (スペイン・ヴァレンシア) ・オリンピックスタジアム (ギリシャ・アテネ) ・ニューヨーク、ワールドトレードセンター新駅(進行中) また氏は特に橋梁デザインで知られており、「美しい橋のデザイン」といえば必ず名前が挙がります。
・ バック・デ・ロダ橋 (スペイン・バルセロナ) 氏の作品は非常に直接的、構造表現的 (あるいは派手) であるため、しばしば批判の対象となり、 好みが分かれる所ですが、 その活躍ぶりはもはや無視できないほどになっています。 特に、橋梁において、構造形態(構造合理性)が支配的であり、しかも構成要素が少ないにも関わらず、 彫刻的レベルにまでデザインしている点 ―それも装飾ではなく構造合理性に基づいて―は賞賛に値します。 極論するとカラトラヴァは「力の釣り合いをテーマとした彫刻を作る建築家」ということができるかもしれません。 氏の作品はこのように彫刻的ですが、基本的に力学に基づいた形態となっています。 このことから、氏の建築形態を深く考察すること、つまり、ナゼここはこういう形になってるのか?と考えることは、特に学生などにとって、 力学センスのよいトレーニングとなります 氏の更なる活躍が楽しみです。 |
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関連リンク |
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カラトラヴァ 公式サイト |
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マサチューセッツ工科大におけるカラトラヴァ講演会 (’95.11) を収録したもの。 |
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上記と同様、ワシントン大、シンプソンセンターでの講演会 (’04 11)。 |
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'08/02/29 更新 |
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