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20世紀を代表する、天才的構造エンジニア!

ピーターライス氏はアイルランド生まれの、 20世紀を代表するカリスマ的な構造エンジニアです。
イギリスの世界最大の構造コンサルタント会社、 オブアラップ・アンド・パートナーズのエースとして 数々の有名建築家と協働しましたが、1992年、57歳の若さで惜しくもこの世を去りました。

大学卒業後 アラップ社に入社、まずシドニーオペラハウスの設計に現場の一技師として参加します。 その後、彼が携わった作品を挙げれば20世紀の重要建築(および建築家)リストが出来上がります。

                ( )内は建築家
・ロイズ オブ ロンドン (リチャードロジャース)   
・パリ:ポンピドーセンター (ロジャース+レンゾピアノ)
・ロンドン:スタンステッド空港 (ノーマンフォスター)
・ルーブル美術館エントランスおよび逆さピラミッド (I.M.ペイ)
・パリ:シャルルドゴール空港 (ポールアンドリュー)
・関西国際空港 (レンゾピアノ)
・ガラスのサッシュレス支持システム:DPGシステム
・イギリス:ウエスタンモーニングニュース社 社屋
    (ニコラスグリムショー)

日本には上記の関西空港と熊本の道路橋:牛深ハイヤ橋があります。 また大都市であれば彼の遺産であるDPGをオフィスビル、 商業ビルのガラスファサードなどに見ることが出来ます。

またパリには彼の作品が非常に集中しており、機会がある方は訪問をお勧めします。          (茶色は右写真参照)

・シャルルドゴール空港 ターミナル2F 
同上、空港駅
・ポンピドーセンター
ルーブル美術館ピラミッド、 同左リシュリュー翼のガラス屋根架構
デファンス地区:グランアルシュのヌアージュ
          その横のオフィスビルの屋根架構、
          さらに目の前のCNITのcafeの屋根支持架構
   ジャパンブリッジ
ラ・ヴィレット公園のガラス温室(DPGの処女作)
アンドレ・シトロエン公園のガラス温室

RFR はこれらフランスでの仕事が増えたことを機に設立された事務所で、 協同創立者:マーチンフランシス、イアンリッチーのイニシャルをとって名づけられています。 (Ritchie, Francis, Rice)。

ライス逝去後も継続され、ガラス構造、テンション構造などで活躍しています。

Rice氏は特にテンション構造などが得意でした(あまりRC系はない)。

時にはhigh-tech過ぎるキライもありましたが、その創造性:creativityは抜きん出ています。 長期間パートナーを組んでいたレンゾピアノ氏によると「まるでピアニストが目を閉じても曲が弾けるように」 デザインしたと言います。

ピーターライスが去ってもう十余年。。。歴史に「もし」は禁物ですが、もし、彼がまだ生きていたならば、 我々はもっと、彼の素晴らしい、創造的な作品を楽しむことが出来たでしょう。 本当に残念です。

シャルルドゴール空港駅
シャルル・ドゴール空港駅

ルーブル美術館
ルーブル美術館

デファンス地区
デファンス地区

ラ・ヴィレット科学博物館
ラ・ヴィレット科学博物館

アンドレ・シトロエン公園
アンドレ・シトロエン公園:ガラス温室


D P G 工法

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関連リンク

R F R

ピーターライス設立の R F R

ARUP

オブ・アラップ・アンドパートナーズ

books

Amazon.co.jp

\3,990
オススメ度
★★★★★
ピーター・ライス自伝―あるエンジニアの夢みたこと
ピーター・ライス(著)  岡部憲明(監訳)     
ライス自ら設計哲学を語る貴重な本

タイトル通り、ピーターライス自身による自伝。具体的な技術点よりも、 設計哲学、その他エッセイ的なものに重点が置かれたものとなっています。

師:オブアラップについて、シドニーオペラハウスでの経験、建築家とエンジニアの役割の違い、 膜、ガラス、鉄、石などの材料について  - などが述べられています。

関西空港などで協働した岡部憲明氏が監訳しています。

表紙は、月明かりで舞台を照らすという、ロマンティックな「ムーンシアター」。


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オススメ度
★★★★★

Srtuctural Glass   Peter Rice + Hugh Dutton (著)     
DPG工法のバイブル!

Peter Rice の最大の功績の一つである、DPG工法 -ガラスの四隅に穴あけしてサッシュなしで止め、 さらにガラス自重はガラスそのもので伝達させる- について、 Rice自身が執筆した、 大変貴重で重要な、バイブルのような本。本工法を始めて採用した パリのラ・ヴィレット公園の温室について解説しています。

初版はフランスで出版されましたが(=仏語)、その後英国の 出版社が英訳し、さらに近作を加え加筆したものです。強く!お勧めします!

ちなみにDPGとはDot Point Glazing (ドット・ポイント・グレージング)の略。

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Web
Archstructure.net





'05/06/08  更新
'04/09  upload

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