東京駅の八重洲口の新しい顔 「グランルーフ」
グランルーフは、東京駅八重洲口側にて大丸ビルなどを建て替えしたことに伴い、新たに作られたものです。
白い膜屋根が帆船の白い帆を思わせます。
またリズミカルに立つ斜めの柱が特徴的です。
基本デザインはヘルムート・ヤーン + ヴェルナ-ゾーベックのコンビ。実施設計は日建設計とJRのJVです。
このグランルーフ、全長が240mもある巨大なものですが、その構造は極めてシンプルです。
断面は右図のような構成となっています。
秋の味覚、サンマのような形をした屋根梁の下面にフラットな膜屋根が取り付けられています。
その両端を、建物前面側は先細りの斜め柱、反対側は控え柱が支えています。
控え柱の下はコンコースや店舗となるブロックです。
斜め柱がその名の通り、斜めとなっているので、膜屋根と斜め柱は常に建物前面の方へ倒れようとしています。(青矢印)
これを、後ろ側の控え柱が引き止める、ということになっています。(赤矢印)
また、地震力などの建物横方向力についても、この後方の控え柱が全てその力を引き受けることとなっています。
このように、後方の控え柱が全ての力を受け持ち、前の斜め柱は屋根を支えてはいますがただそれだけ。地震力などに対しては何もしません(><) 控え柱におんぶにだっこ、と言うわけです。
まあ、つまり。。。こういうことです ↓
小学校の運動会の時の組体操ですね。サボテンというそうです。
下の人:控え柱ががんばることで上の人:斜め柱が華麗に舞っているのです。
こっちも似たようなものですね↓ (^^)
このように、後方の控え柱のおかげで前の斜め柱は何もせずにただ。。つっ立っています。
控え柱からすればこの斜め柱はヒモや愛人みたいなもので、
「でくのぼうみたいに突っ立ってるだけじゃなくてアンタも働いてカネ稼いで来てよ!( ゚Д゚)ノ 」
と言われそうです。
ケド斜め柱の方は斜め柱で、
「何言ってんのよ!アタシャーこうやって人様にキレイな姿見せて、世間に夢売るのが仕事なのよ!(#`Д´)ノ」
と言い返すかもしれません(><)
ところでこのグランルーフ。「ルーフ」とは言うものの、屋根はかなり高いところにあり、イジワルな見方をすれば、風混じりの雨の時は、雨が吹き込んでしまって、その役割を果たさないでしょう(><)
屋根もナナメですし。。いいんでしょうか。。
そんなふうに思っていたのですが、どうやらこの屋根。。別の目的がありそうです。。。
それは。。東京駅のプラットフォームを隠すこと!
下の写真で分かるように、屋根があることで、背面の東京駅のプラットホーム(の存在)が見事に隠されています。
目隠しカベだということです。
東京駅周辺の華々しい建物たちと比べて、駅のプラットホームにかかる上屋(屋根)は、お世辞にもキレイなものとは言えません。
鉄道のレールを転用した骨組みに、石こうの波板がかかる、貧相なものです。
赤レンガの東京駅の改装なんかより、こっちのほうが先じゃないかとさえ思えます。
以前は大丸ビルなどがあったお陰でそれらは見えなかったのですが、ビルを取り壊した結果、それが丸見えになってしまうこととなったのです。
よってそれを覆い隠すものを何か作ろう。。。となったのではないでしょうか。。
雨を凌ぐのに不利にもかかわらず屋根が上向きの斜めなのも、それで説明がつきます。。。
勝手な推測ですが、どうでしょう。。ビンゴでは。。?
真相をご存知の方がいたらご一報ください
それしてもこの斜め柱、メッチャ長い! 全長約30m!
建築で一本の独立の柱としてこんな長いのは他にないのでは?もしかして日本一!?
。。。と思ってたら。。上には上がいました。それもすぐそばに!
東京駅のお隣、有楽町駅に立つ東京フォーラム。
ガラスホールの大屋根を支える2本の柱、コチラは50mあります。
コイツよりデカイのはないでしょう。
完成間近のグランルーフ。白い膜屋根は清潔感があります。
そして斜め柱も見事に。。。「つっ立って」います(^^;)
パリコレのモデル達が口々に
「アタシが一番キレイでしょ!」
「アンタなに寝言いってんよ、アタシアタシ!」
と言っているかのようです
公式オープンは9/20。
東京の新しい顔となることは間違いありません。
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