オランダで歩道橋のアイデアコンペが募集中

建築コンペを開催する国際団体の「AC-CA」が、「Iconic pedestrian bridge=象徴的な歩道橋」と題した歩道橋の国際アイデアコンペ参加者を募集しています。


オランダの首都、アムステルダムの運河に歩道橋をかけるというもの。
このコンペは優勝しても建設されるわけではない、アイデアコンペです。

(コンペは終了しました)


主催者はこのコンペの目的を、「建築的な実験、議論の機会を提供すること」としており、応募案は「現代的なデザインでなければならない」としています。
また

・建築(=建築美の意味)とエンジニアリングの関係性をみつめる
・オリジナルでユニークな歩道橋をデザインすることに光を当てる、
・歩道橋の機能性とアート(彫刻)についての議論を起こす
・サスティナビリティー(持続可能性)デザインを行う

などと述べています。

アムステルダムには何百キロもの長さの運河、それによる約90の「島」、約1500の橋があり、これよりイタリアの水の都にならって「北のベニス」と言われているとか。

敷地はアムステル川の、エルミタージュ美術館のまん前。17世紀に建てられた歴史的建造物です。同美術館へのゲートウェイ:入り口となることが期待されています。

コンペのプログラムとしては、スパン90m、最低巾4mの歩道橋と、100平米のカフェ、自転車修理ステーション、トイレなどのちょっとしたサービススペース、などを設計すること、となっています。


応募者は個人または4人以下のチーム。プロアマ問わず。建築士、技術士などの資格も不要。


優勝賞金は3000ドル=約22.5万円。ちょっとお安いですね(^^) まあ、インターナショナルな名誉(海外デビュー)が得られる、と思ったほうがいいかも。

スケジュールですが応募は既に始まっています。

12/15までにエントリーすると参加料が「早割」されて80ドル(¥6000)。
エントリー締め切りが来年2012の2/25(同120ドル=¥9000)。
応募案の提出締め切りは2/29、結果発表は3/15、となっています。

応募案の「提出」は、事務局に一枚!のデジタルデータ:2Mb以内のjpgをメール送付、となっています。イマドキのコンペですね。

2メガに納めるのは案外タイヘンかも。


関連として過去の橋梁のアイデアコンペをご紹介。

コチラは今から約20年前に「Bridge of the Future :未来の橋」と題されたアイデアコンペの優勝案。コチラのサイトにて。

「恐竜の背骨」をモチーフとしたもので、アリゾナのグランドキャニオンに架けることを想定。

vertebra=脊椎を思わせる、3方向に腕が出るユニットを連結させたもの。上と下をケーブルで連続的に結び、また上に伸びる腕の頂部から歩道部をナナメに吊っています。崖の片方からのみで建設できる、とのこと。

未来の橋梁と言いながら古代の恐竜をモチーフにしています(^^)。しかし設計案は非常に斬新、未来的です。

デザイン優先のお遊びのように思えますが、構造的に見事にバッチリと!成立しています。完成度は高く、このまま建設(実現)できると思います。私事ですが、当時コレを本屋(の立ち読み)で見た時、かなり衝撃を受けたものです。いま見ても新鮮です。

見事。さすが優勝案、という気がします。 

また上図を見ていただくと分かりますが、必要な情報:平面、立面、断面、詳細が一つの図にまとめられており、非常に上手なプレゼンテーションです。

20年前といえばパソコンがやっと出始めて来た頃。トウゼン手書きです。

構造担当はたしかArup 出身の女性エンジニア、Jane Warnick氏だったかと。(London Eye を担当) 残念ながら氏のHPはない模様。


話は戻って今回のコンペ。気楽な腕試し、アタマの体操にいいかもしれません。

実現しないのですから(^^)いつもの固定観念:コストや、設計基準をすっかり忘れて気晴らしのようにやるのがいいのかも。床振動のTMDもいらないでしょう(^^)

ただ、構造技術うんぬんより、アイデア一発勝負のような気がします。

風船で吊り上げるとか、そよ風でうねうね動くとか。。
「現代的」と言うなら。。床にipadを敷き詰める。。?


どんな案がでてくるか、非常に楽しみです。

誰か僕と組みますか(^^)


Categories:

, ,

Tags:


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です