今回も書籍の紹介をします。
ここん所、色んな本を買ったので、紹介シリーズが続くかと思います(^^;)
こちらの本:”Light structure – Structure of Light “はアメリカの膜構造の第一人者、ホースト・バーガーHorst Berger氏の作品を集めたものです。
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氏はまさに”ミスター・メンブレイン”
膜に関しては右に出るものはいない、って感じのヒトです。
若いころの仕事で有名なのが、1970年の大阪万博のアメリカ館の膜屋根。アポロ計画で持ち帰った「月の石」が展示され、長蛇の列となりました。
本パビリオンのために開かれたコンペで優勝したデビッドガイガー氏(大学出たて)がバーガー氏に協力を依頼。バーガー氏は、それまで勤めていたアメリカの名門構造事務所:セヴェラッドSeverudを退社し、ガイガー氏と”ガイガー・バーガーアソシエイツ”を結成しました。
楕円形平面、それに対角線状に張る補強ケーブルなどの特徴を持つ本パビリオンはその後の東京ドームなどにも続く膜屋根構造のプロトタイプとなりました。
その後バーガー氏はガイガー氏と別れ、自身の事務所を設立。
以後、輝かしい足跡を残してきました。
例えばサウジアラビアのジェダハッジJeddah Haj 空港
通称ホルン型と呼ばれる山のような膜屋根のユニットが無数に並んでいます。
砂漠の中に作られた空港で、壁がなく(吹きさらし)強い日射を遮るものとしての膜屋根のみの建築。
屋根(建物)に飛行機がアタマを突っ込んでるような、普通見ない光景(右写真)。
↓ 屋根の上でドヤ顔を決めるバーガー氏
↓ サンディエゴのコンベンションセンター
↓ 山並みを思わせるデンバー空港
。。。などなど。。
教科書に出てくるようなものばかり!
日本の膜材のメーカー大●工業は上記の大半の仕事に絡んでおり、氏が設計すれば膜を大量採用してくれますから、まさにバーガーさまさま!
ゼッタイに足を向けては寝れません(><)
↓本の中身はこのようなカンジで白黒。文章と写真(スケッチ)半々くらいです。眺めるだけでも楽しいでしょう
構成としては
・膜の歴史:先住民のテント型住居など
・膜の材料としての特徴
・前述の氏の実作
・理論:膜が描くカーブの数式など(ちょっとだけ)
・その他、未実現作やアイデア
など。
氏の作品集というより膜の教科書、と言った方が良いかもしれません。
当然はありますがバーガー氏自身が執筆したもの。
「○○の設計んときゃ~タイヘンだったよ~(泣)」てな具合の思い出話なども入っており、親しみ深い本となっています。
タイトルの”Light Sructure – Structure of Light “
Light とStructureをひっくり返したものですが、おそらく
「軽い構造:光の構造」と言う意味の言葉遊びでしょう
お茶目さんですね。
本棚に。。加わってもらいますか?
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