今日も本の紹介です
最近、割りとマメに更新しています(^^)
今日は超高層関係の本を2冊、紹介します
まずはコチラ
SOM (Detail Engineering)¥6,466
ドイツの雑誌DETAIL 社の、構造設計事務所シリーズの第4弾です。
“SOM”とはアメリカ、シカゴの巨大組織設計事務所で、創設者より名付けられた「スキッドモア・オーウィングズ・メリル」の略です。
同社は巨大事務所がゆえ、商業施設や超高層などを多く設計しています
古くは地元シカゴのシアーズタワー(現ウィリスタワー)やジョン・ハンコック・センターなど。
最近ではご存知、世界最高峰の高さを誇るドバイのブルジュハリファも担当しています。
本書はそんなSOMの構造エンジニアリングについて焦点を当てたものです。
次はコチラ
Diagrid Structures: Systems / Connections / Details ¥5,333
ダイアグリッド・ストラクチャー
“diagrid” ダイアグリッドとは、斜めフレーム、斜め格子のことです。
日本では超高層などで用いられることはまれですが、海外ではよく見かけます
日本での例としては本サイトで取り上げた東京、青山のプラダ・ビル。
斜め格子は建物重量を伝達する柱として働く一方、風圧などのヨコ方向力に対してはブレースとして働く、という一石二鳥の特徴をもっています。
しかし、ブレース構造であるということは、建物のカタさが上がり、それゆえ地震時に地震力を大きく受けることとなり、あまり好都合ではありません。
これより日本ではあまり用いられず、「柳に風」のように力を右から左に受け流す純ラーメン構造が多用されます。
本の中身の方ですが、非常に充実した内容。
まずは歴史、最近の概要などを述べ、耐震、耐風設計などの設計の考え方、その他、設計、デザインの要となる部材の交点=ノードのディテール、設計法、最後に近年作品のケーススタディー。
私事ですが久しぶりにこんな中身の濃い本、読みました。
それではいくつか海外のダイアグリッドの建物を紹介♪
まずはコチラ:ロンドンのスイス・リービル。
ノーマンフォスター事務所設計。
格子のディテール。
次もノーマンフォスター。 ニューヨークのハーストビル
コーナーが斜め柱でカットされているのが特徴。
こういうのを”bird’s mouth=鳥の口”と言うそうです。
その理由は下の写真で分かるかと。
同じ理由で木造の斜めの梁を下図のようにカットするのもbird’s mouthと呼ぶそうです。
夕日が映ってキレーな写真(*O*)
さて、ところでなぜ斜め格子を
「ダイアグリッド」「ダイア(ダイヤ)」と呼ぶのでしょうか。
これは菱形をダイヤモンドというからです。
ダイヤモンドと言えば宝石のアレのことしか思い浮かびませんが、Diamondには2通りの意味があり、1つがその宝石のダイヤモンド、もうひとつが菱型、ということです。
このことから野球の内野の部分をダイヤモンドと言うのです。
トランプのひし形もダイヤですね。
では電車の「ダイヤ」はどうでしょう?
これは上記とは異なり、ダイヤグラムdiagram=図表から来ています。
電車の運行は下図のように駅と到着時刻を折れ線を書いて図表=ダイヤグラムdiagramで表すため、これから転じて列車の運行予定表、時刻表を略してダイヤと呼ぶようになったのです。
今はこのような「アナログ」ではなく「デジタル」ですけどね。
よってこの「ダイヤ」は和製英語です。
「ダイヤが乱れています」を直訳しても外人さんには何のことかさっぱり分かりません。
「列車運行状況」を「ダイヤ」と言うようになってしまったのです。
話がダイブ寄り道しましたが。。。
世の中に超高層を設計している人は一体どのくらいいるのでしょうか。。
あと建物の「背比べ」はいつまで続くのしょうか。。。
ブルジュハリファもまたいつか追い越されるのでしょうか。。
高さへの挑戦は人の摂理ですが。。
ただ「●●と煙は高いところへ。。」ってのもありますけどね。。。
本記事の冒頭の絵、「イカロス」は高く飛びすぎたせいで羽を固めていた蝋が太陽で溶けて墜落してしまいました
いかん、ちょっと嫌味を言ってしまいました(^^;)
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