突然ですがスマホは何をお使いですか。
やっぱりiphone? それともandroid?
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今日ご紹介するのはJames O’callaghan(ジェームス・オカラガン?)氏。
ロンドンで活躍する構造エンジニアで構造事務所 Eckersley O’callaghanを率いています。
同氏の仕事で有名なのがガラス建築。 中でもガラスを多用する「アップルストア」を担当することで知られています。
氏は駆け出しの頃は東京フォーラム・ガラスキャノピーで知られるデューハースト・マクファーレーンに入社。
同社のティム・マクファーレン氏からガラス建築の基礎を学びます。
その後、東京フォーラムの建築家であるラファエル・ヴィニィオリが手がける建築をソウル、ニューヨークなどで担当。
そして2004年にロンドンでBrian Eckersley(ブライアン・エッカースリー)氏と冒頭の事務所を設立しました。
オカラガン氏の今の仕事を決定づけるApple社との出会いは2001。
ニューヨーク、SoHo(ソーホー)のフラッグシップ・ショップでのガラス階段です。
同店に真ん中に置かれる階段はデザイン上の「目玉」で、可能な限り透明、軽快な必要がありました。
初期の打ち合わせで同社の社長、つまり故スティーブ・ジョブズと面会したオカラガン氏。その席でジョブス氏と意見交換し、以下のような構成にすることとしました。
基本的な構成は、ガラスの壁を2枚立て、その間に踏み板のとなるガラス板を渡し、接合部はインサートコネクションと言う金具挿入方法としたものです。
オカラガン氏はこのガラス同士の接合部にエネルギーを注ぎました。
なぜなら
「誰だってそこをイチバン見るだろ?」と。。
氏に言わせるとガラス建築の成功とは「接合部のエレガントさ」だとのこと。
何はともあれ、この処女作でジョブスに気に入られたのか、この後、世界中のアップルストアのガラス階段を担当することとなりました。
もちろん日本でも。コチラはその一例。大阪のアップルストアの階段。
ちなみにオカラガン氏はこれらのガラス階段でいくつも特許を取ったのですが、これはスティーブ・ジョブズとの連名になってます。
下もそのように担当した中のひとつ。ニューヨーク、5th Avenue(5番街)のアップルストア。見ての通り「ガラスキューブ」がコンセプト(2006年)。
ニューヨークのショップ、しかも今度は屋内にある階段ではなく、屋外。
アップル信者がメッカのごとく押し寄せる時にまず目にするエントランスですから。。。
オカラガン氏もジョブ氏もさぞ力が入ったことでしょう (*・`д・) (●`・皿・)
多数数のガラスフレームで構成され、ガラスパネルを止める金具が幾つも見えます。
柱20本、ガラスパネル106枚。
それから数年後、ジョブ氏が
「あれ、しばらく経ったから立て直そうか。
オカラガンさん、もっといいの考えてくれるだろ」と言ったのかどうか、
このキューブをやりかえることになりました。
同じところに立つ同じような建物を2回、設計するとは非常にまれなこと。オカラガン氏にとっては非常にラッキー。
数年のうちに改良した自分のテクニックを披露できるわけです。
そうやって満を持して「再完成」したのがコチラ(2011)。
前のヤツと比べてチョースッキリ(゜▽゜)!
ガラスフレームは極端に減り、透明度が増しています。
柱20→8本、ガラスパネル106→15枚と格段に減っています。
このようなシンプルさを勝ち得た一つの要因は、制作上の制限だったガラスパネルのサイズを以前よりも大きくできたことのようです。
オカラガン氏はこれらの作品を振り返ってこのように言っています。
「私がこのような経験をできたのはデザイナーや、ガラス他のメーカーとのパートナーシップを作ったことが大きい。このパートナーシップによってこそイノベーションが実現できるのだ」
ガラスメーカーの工場に足を運び、また破壊試験をやってくれる大学の研究室と協力し。。
「一人が持っている知識だけでは何もできない」とのことです
そして更なる「ガラス構造、探求の旅」の到達結果として最近完成したのがこちら。。
トルコ、イスタンブールのアップルストア。
なにコレー!チョーシンプル!
ガラス壁4枚と屋根だけというゲスシンプルの極み!
屋根はカーボンファイバー補強プラスチック。
同氏の研究の一つの到達点と言えます。
ところで氏が大事にしているという概念が
「engineering clarity(クラリティ)」 =エンジニアリング的な明快さ。
これは実態としての建築が明快、ということもありますがもっと抽象的:シンプルに考える、などの意味もあるようです。
また上記を実現させるために執着しているのが「ディテール」。
ガラス階段で言えば接合部の金具です。
ディテールの寸法を1mm単位で検討し、追加、削除を繰り返。。
「何も足さない、何も引かない」ところまで磨き上げるとのこと。
「なぜならそのようにしてできあがったものこそが人の心に響くからだ」と。。
執念ですね。 (●`・皿・)
このようにガラス建築のほぼトップを走っているオカラガン氏ですが。。
「我々は今、向かい風にある」と。。。
と言うのは、「サステナビリティ」「省エネ」などと言われる時代に、ガラス建築はあまり良いものとも言えません。
外壁がガラスだと外部からの熱の出入りが大きく、室内を適温に保つには大容量のエアコンをガンガン効かせねばならず、時代の流れに沿っている、とは言えないからです。
「ガラス(建築)はもっと進化しなければならない」 と
「探求の旅」を続けていくそうです。
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