2010 FIFA サッカーワールドカップのスタジアムが建設中 <<前ページに戻る
ニュースとしてはちょっと気が早いかもしれませんがご紹介します。
来年開催される、2010FIFA ワールドカップのスタジアムが会場となる南アフリカ共和国にて建設されています。
FIFAオフィシャルサイトでは会場となるスタジアムが全て紹介されています。
前回のドイツWカップではヨルグシュライヒ氏の事務所:シュライヒ・バーガーマンが多数のスタジアムを設計しましたが、
なんと今回も!複数スタジアムを担当しています。
参照記事:'06 topics:(ドイツ) サッカー ワールドカップのスタジアム屋根
最も建築的に目だっているのはダーバン市のスタジアム:
モーゼス・マヒダ(Moses Mabhida)スタジアム。
スタジアム中央に巨大なアーチが架かっています。
アーチは平面的にYの字をしています。このアーチは屋根の膜材を引っ張り上げています。
建築設計はボン・ゲルカン・マルク、
構造設計は
シュライヒ・バーガーマン。
屋根構造は膜を用いたループリング構造の一種。屋根先端はケーブルで引っ張られてテンションリングを構成してます。
アーチはシンボリックで非常に良いのですが、軽量の屋根を引っ張るだけにしてはちょっと大げさかも。。批判的でしょうか。
コンペに勝利するためにキャッチーな構成にしたのかもしれません。。(北京同様に。。)
※ループリング構造:外側の円形のコンプレッション(圧縮)リング、内側のテンション(引張)リングのペアにより、ドーナツ状の屋根を構成するテンション構造。
ダイムラースタジアムのページ参照
本スタジアムは今月:'09.9月に完成予定。準決勝の会場となる予定。
11/14にこけら落としとして、我が日本代表チームを招いて南アフリカチームとの試合が行われるそうです。
もう1つ、構造的観点から惹かれるのはケープタウン市の
グリーンポイントスタジアム。
観客席の高さに応じて、屋根も大きくうねる曲面となっています。
屋根構造は完全なループリング構造。
こちらも設計はボンゲルカンマルクとシュライヒ。
ダイムラースタジアムなどとは逆に、外側に一つのコンプレッションリング、内側に2つのテンションリングとする構成となっています。
両者をつなぐのは鉄骨によるトラス。屋根上面にはガラス、下面には膜が張られるとのこと。
ガラスが重いので(がっちりした)トラスを用いたのでしょう。
本スタジアムも、準決勝の会場とのこと。
シュライヒ氏の事務所は他にも決勝会場となる
ヨハネスブルグのスタジアムも担当。つまり準決勝、決勝会場は全てシュライヒ!
Wカップが開かれるごとにシュライヒ氏の銀行口座には巨額の設計料が!?
ちなみに南アフリカは本Wカップをはずみに、2020のオリンピックに立候補することも目論んでいるとか。
また、南アフリカといえば、治安の悪さで有名。
決勝会場となるヨハネスブルグなどは「世界最悪の犯罪都市」とまで言われているとのこと。
もし応援に行くならば相当の覚悟を。
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